更年期外来について| 岡山市の産婦人科はくにかたウィメンズクリニック

更年期外来について

更年期とは?

女性のみなさんが40歳を過ぎた頃から気になるのが『更年期』ですね。
更年期とは、閉経をはさんだ前後の約10年間をいいます。日本女性の平均的な閉経年齢は50歳前後のため、通常、更年期の始まりは40代半ばということになります。
この時期多くの女性にあらわれる症状として「のぼせやすい」「急に汗が噴き出す」「イライラする」「肩こりがひどい」などがありますが、これ以外にも様々な症状が現れることがあります。こうした更年期に現れる様々な不調で、日常生活に影響を与えた場合を“更年期障害”と呼んでいます。
“更年期障害”は、20代~30代でピークを迎えていた女性ホルモン(エストロゲン)が、年齢を重ねることによって少しずつ減少し、ホルモンコントロールの機能が乱れることによって起こります。

更年期障害の診断方法

①簡略更年期指数:SMIを使った診断方法
「私、更年期障害かしら?」と思ったら、自己チェックをする方法があります。
(簡略更年期指数:SMI)下の表を参照してください。
自分の体に起こっている不調が更年期障害によるものなのかどうかを知ることができます。
②血液検査
ホルモンコントロールの乱れが起こっていないか、医療機関で採血をして調べます。

簡略更年期指数:SMI

症状点数
顔がほてる10630
汗をかきやすい10630
腰や手足が冷えやすい14950
息切れ、動悸がする12840
寝つきが悪い、眠りが浅い14950
怒りやすく、イライラする12840
くよくよしたり、憂うつになる7530
頭痛、めまい、吐き気がよくある7420
疲れやすい7530
肩こり、腰痛、手足の痛みがある7530
合計点数による自己採点の評価法
0~25異常なし。更年期とうまく付き合っています
26~50食事、運動に注意が必要です
51~65更年期外来の受診を勧めます
66~80計画的な治療が必要でしょう
81~100精密検査に基づいた治療が必要

このテストで異常がなくても、骨粗鬆症や動脈硬化など疾患が隠れていることがありますので、早期の受診をお勧めします。

更年期障害の治療方法

①HRT(ホルモン補充療法)

女性ホルモン補充療法はHRTといわれ、更年期に不足してくる女性ホルモンを“貼り薬”や“飲み薬”で補う治療法です。女性ホルモンの不足により、自律神経が混乱して出てくる様々な症状に対して治療効果が高く、即効性があります。また、HRTは女性ホルモンの減少によって起こるその他の症状にも効果があるといわれています。しかし子宮出血が起こったり、長期間の服用により乳がんのリスクがやや高まるなど、デメリットもあります。

HRTのメリット

・ホットフラッシュや不眠など、更年期障害の様々な症状の改善
・骨粗鬆症の予防
・高脂血症の予防
・大腸がんのリスクが減少する
・肌の張りや粘膜の潤いが得られる

HRTのデメリット

・子宮出血がおこることがある
・長期間の服用で乳がんのリスクが高まる
・長期間の服用で脳卒中の危険性が高まる ・長期間の服用で肺塞栓や心筋梗塞の危険性が高まる

②漢方薬

漢方薬による治療は、HRTと異なりホルモンが減っている状態に体が慣れるのを助ける方法といえます。女性ホルモンの量がさほど減っていない人や閉経前の人などに適しているようです。また漢方薬の場合、効き目が出るまでにある程度の時間がかかるのも特徴です。

③カウンセリング

更年期の症状では、イライラや不安感、不眠など精神的な症状が強く出るケースもあります。日頃悩んでいることや、不安に思っていることを他人に聞いてもらえるだけでも心が軽くなるものです。自分では気がつかないうちにストレスになっていることもあるでしょう。まずは自分にとって何がストレスなのか気づくことが大切ですね。
自分にとってストレスは何か、なぜそれをストレスと感じてしまうのか、そしてどうしたらストレスを解消できるのか…。医師やカウンセラー(メノポーズカウンセラー)とともにゆっくり話し合ってみませんか?

更年期を上手に過ごすコツ

更年期以降、健康を維持するためには運動や食生活、睡眠などの日常生活での留意点があります。以下の項目を参考にして更年期をより楽しくいきいきと過ごしましょう。
・基礎代謝が減少するので、食事の内容を考え腹八分目にしましょう
・カルシウムや食物繊維、大豆製品を積極的にとりましょう
・肥満や便秘防止に適度な運動をしましょう(ウォーキング、ストレッチ体操など)
・ストレスの解消にも気をつけましょう