子宮頚がん検診について| 岡山市の産婦人科はくにかたウィメンズクリニック

子宮頚がん検診について

子宮頚がんとは?

子宮がんには子宮の入り口にできる「子宮頚がん」と子宮体部にできる「子宮体がん」があります。できる場所だけでなく、その原因、年齢も異なります。
子宮頚がんは、子宮体がんと比べ20~30歳と若い時期に急増し、性交渉によって感染したウィルス(ハイリスク型のヒトパピローマウィルス HPV)が原因で、このHPVは約80%の人が一生に一度は感染すると考えられています。
子宮頚がん患者からは、ほぼ100%の確率でHPVが検出されますが、ほとんどのHPV感染は一過性で身体の免疫機構によって消失しますので、必要以上に心配することはありません。
子宮頚がんワクチンについてはコチラのウェブサイトをご覧ください

子宮頚がんについて

子宮頚がんの発見率と羅患率

若い女性にHPV感染者が多く認められるのと同じく、年齢別では30歳の女性に多く癌が発見されています。多くのがん罹患率は、高齢になるほど高くなります。しかし、子宮頚がんの罹患率は、この20年間で40歳以上の中高年齢層は減少していますが、20~30歳代は増加しています。

子宮頚がん検査とHPV検査、同時検査をおすすめします

細胞診が正常だった1622例のうち、同時に行ったHPV検査で86例に高リスクHPVが認められ、その内の6例(7%)が、CIN Ⅲ(前がん病変)に進行しました。
それに対し、細胞診正常でなおかつHPVも陰性(HPVなし)の1536例からは1例しかCIN Ⅲに進行しなかったというデータです。このデータからもわかるように、細胞診検査とHPV検査を併用することで検診の精度が上がります。
つまり、細胞診が正常と判断されていても、HPVが認められた場合には、リスクに応じた受診間隔で検診を受けることにより、がんになる前(異形成の状態)に、発見でき、治療することが可能となります。

子宮頚がん検査用容器

採取した細胞は、写真の容器に保管し、検査に提出します。

多くの“がん”は、その原因がはっきりしていないため、完全な予防はできないと言われています。しかし、子宮頚がんは予防ができます。それは、子宮頚がんの特徴から可能なのです。

子宮頚がんの特徴

子宮頚がんには以下のような特徴があります。

原因がHPVの持続感染であることがわかっている。
簡単な検査でHPV感染の判定をすることができる。
HPVの持続感染からがんに進行するまでに、3年から8年要すると言われており、その間はがんの前段階である「異形成」という細胞に異常を起こした状態で存在する。
異形成は細胞診検査で発見可能であり、この状態なら治療でほぼ100%完治する。

健康的な生活を維持するためには、自分の体の状態をよく知ること、そして何より日頃の検診が重要です。
HPV検査は子宮頚がん検査と同時に、しかも簡単に行うことができます。
検診のご相談もお受けしておりますので、お気軽にご来院ください。

子宮頚がん検診について

子宮頚がん検診は子宮入り口付近の細胞をチェックする検査です。
採取した細胞は顕微鏡で確認し、次の5つの段階に分類します。

細胞診クラス分類(日母分類)
クラスⅠ採取された中に異常細胞は認められない
クラスⅡクラスⅠと同様であるが、背景に白血球が含まれるもの
クラスⅢ正常とは異なる細胞が認められる(異常細胞)
クラスⅢa程度の軽い「前がん病変(異形成)」が疑われる
クラスⅢb中等度~高度な「前がん病変(異形成)」または「初期のがん」を疑われる
クラスⅣ「がん細胞」が疑われる
クラスⅤ「がん細胞」が認められる

子宮頚がん検診は、正常を評価する検査ではなく、「異常を評価するための検査」です。異常が存在しても、おりものが多かったり、病変が小さいと「異常なし」と診断されます。クラスⅠやクラスⅡでも、1年に一度は検診を受けることをおすすめします。
また、クラスⅣおよびクラスⅤと診断された場合は、ただちに検査を受け、必要に応じて治療をしてください。